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「印西津 太郎のマネジメント奮闘記」では、架空のマネジャー「印西津(いんさいず)太郎」の経験談を通して、「INSIDESを活用したマネジメントのナレッジ」を共有します。 |
安心して業務を任せられているメンバーが「淡々」と出たときに、
「問題なさそうに見えるけど、悪い状態なの?」
「本人からも”特に不満はない”と言われるけど、何を話せばいいの?」 と疑問に感じたことはありませんか?
傍から見ても、本人としても「特に問題ない」のに「淡々」という判定が出ると、 「何が問題なの?」「どうしろって言うの?」と戸惑いますよね。 私もそうでした。
ですが、「淡々」への「ちょうど良い向き合い方」を理解できると、 「淡々」が何回か続いても、都度ガッカリしたり戸惑うこともなく、少しずつ糸口が見えてくるようになったのです。 この場合の対応のポイントと、私の失敗例・成功例をもとにした解説をご覧ください。
仕事は問題なくこなしているのに「淡々」のパターン
結果の例
下記のように、自己認知・環境認知のスコアにネガティブ(=3.0点未満)な項目がない場合、「職場や仕事に対しては不満がない」「不安を抱え込むこともなく自分のペースでこなせている」一方で、「夢中になるほど没頭感は持てていない」という状態です。傍から見ても、本人にとっても「特に問題はない」ものの、無意識に感情にフタをしているだけで、もっとパフォーマンスを発揮できる可能性があります。
失敗例/成功例&解説
後藤さん(チームリーダーのメンバー)との会話
失敗例
印西津(マネジャー):「(面談用レポートの「メンバーが感じている課題」を見ながら)最近は忙しくて落ち着かない状況のようだけど、業務状況はどう?」
後藤(メンバー):「確かにバタついているなとは思いますが、仕方ないと思っています。チームメンバーにも必要なことは相談できてますし、特に問題なくやれています。」
印西津(マネジャー):「そうか。後藤さんは安心して任せられるので、とても助かっているよ。引き続きよろしくね。」
後藤(メンバー):「はい、ありがとうございます。」
窮々・悶々メンバーへの対応のときのように、「メンバーが感じている課題」を切り口にヒアリングしてみたところ、変な雰囲気になったわけではないものの、今以上にプラスな状態になるわけでもなく、あっさり面談が終了してしまいました。
成功例
~ 面談① ~
印西津(マネジャー):「バタついている状況の中、安定してやり遂げてくれてありがとう。今日は目の前の業務の進捗確認じゃなくて、後藤さんについて色々教えてもらう時間にしたいと思っていて。というのも、後藤さんによりよい仕事を任せていきたいし、より働きやすい環境を作りたいんだよね。」
後藤(メンバー):「ありがとうございます。よろしくお願いします。(心の声:多少忙しさはあるけど、特に現状問題ないけどな)」
印西津(マネジャー):「例えばそうだな…(面談用レポート表示された「トピック」を一緒に表示しながら)ここに出ているので言うと…「これまでに懸命に取り組んだ仕事」ってどんなことがあるの?」
後藤(メンバー):「うーん…良くも悪くも波が無いタイプなので、懸命にって言われるとすぐ思い浮かばないですね…」
印西津(マネジャー):「そっか。自分としては”比較的手ごたえがあった”くらいの仕事でもいいよ。」
後藤(メンバー):「そうですね…うーん…強いて言えば、前の部署で〇〇の業務をしたときですかね…」
印西津(マネジャー):「へぇ、〇〇の業務か。わからないけど、××段階から考えないといけなさそうで、難しそうだね。」
後藤(メンバー):「そうですね。当時、部署としても初めてのテーマだったので、××の段階から考えましたね。」
印西津(マネジャー):「へぇ、すごくチャレンジングだね。××の段階からだと、まずは〇〇や▼▼の状況もわからないと、方向性決めるのが難しそうだよね。」
後藤(メンバー):「そうなんです。そのあたりの情報が全く無くって。■■まで行って「▽▽な人」◇人にヒアリングするところから始めたんですよ。」
印西津(マネジャー):「おぉ。そこまでやったんだ。ちなみに、どうして「▽▽な人」という条件を置いたの?」
後藤(メンバー):「××の方向性を決めるには、~~をまずはクリアにする必要があると思って。それを聞き出すには、「▽▽な人」に的を絞ったほうが情報を得やすいと思ったんです。」
印西津(マネジャー):「へぇ、なんか聞いてるとあれだね。簡単にできちゃうよりも、難しい仕事のほうが楽しいんだろうね。」
後藤(メンバー):「それはあるかもです。簡単にできそうなものや、既にやり方が決まっているものよりも、考える余地がある業務のほうがまだ飽きないですね。」
印西津(マネジャー):「なるほどね。今日話してもらえて、後藤さんについてより理解を深められた気がするよ。その要素を今の仕事の中でも取り入れられると、今よりもやりがいを持って取り組めそうだよね。このあたりは、ぜひ一緒に考えていきたいな。」
私がこれまで後藤さんに抱いていた印象は「決められたことを粛々とこなす」というイメージでした。
しかし、今回の面談では普段の淡々とした様子と少し違って、少し語気が強まった場面があり、後藤さんの感情が見えたように感じました。 また、「少し難しいテーマについて一から自分で考えて動くこと」が好きということがわかったので、◇◇プロジェクトのミーティングの▽▽のパートを、一任してみることにしました。
すると、一見いつも同じテンションに見える後藤さんのちょっとした変化に気が付いたのです。
~ 後日、とあるプロジェクトの定例ミーティングにて~
後藤(メンバー):「■■ツールについて〇〇と××の観点で、まとめてみました。これらの観点で整理してみると、▲▲に関しては、■■の方向性で進めるのが良さそうです。ただ、▽▽の観点は私は判断つきにくい部分があるので、特に◎◎さんの意見を聞きたいと思っています。」
印西津(マネジャー):(心の声:これまでは、求められた時くらいしか発言がなかったし、特段思い入れがあるようにも感じなかった。だけど、こんなボリュームを調べて自分なりの意見もまとめてくれていて、心なしか以前より少しエネルギーを感じるな)
~ 面談② ~
印西津(マネジャー):「そういえばさ、こないだ◇◇のミーティングのとき、■■ツールについて結構なボリュームを自分で調べて表にまとめてくれたうえで、後藤さんなりの意見を言ってくれていたよね。おかげで、すごくクオリティが上がったと思う。前回から、▽▽のパートをお任せしているけど、後藤さんとしては以前と比べてどう感じてる?」
後藤(メンバー):「ああいう、新しくて少し難しいツールとかは、割と好きなほうなのかもしれないです。結構なボリュームを調べないと整理できないなとは思ってたんですけど、一度手を付けたら中途半端なところで止めるのも気持ち悪くなってしまって。」
印西津(マネジャー):「かなりの情報量だったから、調べるのも、あんなにわかりやすく整理するのも、大変だったんじゃない?」
後藤(メンバー):「そうなんです。□□の方法でやってもダメだったので、~~と考えてこうしてみました。」
印西津(マネジャー):「そうなんだね。なんか、傍から見ると、前よりも少し楽しそうに見えるよ。」
後藤(メンバー):「え、そうですか?別に普通ですけど(照)。まぁ確かに、これまでよりも、自分で考える要素が増えたことで、手ごたえが得やすくなっているのかもしれません。」
印西津(マネジャー):「それはとても良いね。そろそろ来期のアサインやミッション設計も考えるころだから、そのあたりの要素もぜひ念頭におきたいな。その点はまた少し相談させてね。」
~ 半年後 ~
次の期に入り、月1回の面談で同じような対話を繰り返していくうちに、面談のなかでも少しずつ変化が感じられるようになりました。
以前は面談で後藤さんから議題を持ち込むことはあまりありませんでした。 ですが、徐々に「◎◎について~したいと思ってるんですけど、~~について考えたくて。」とメンバーの意志が見えるようになってきたのです。
成功の要因を解説!
焦らずに、メンバーの「新たな一面」を一緒に見つけるスタンスが重要です。
Point1
「不満を聞く」のではなく「やりがいの種を見つける」
- 「不満」の解消よりも、どんなことだったら少しでも「やりがい」を感じられるのか、思い出してもらうことが1stステップです。誰しも、過去の頑張った時の話をしているうちに、思わず感情がよみがえってくるものです。そのときの感情を思い出すことで、「やっぱりあの頃のように楽しく働きたい」という前のめりな気持ちを取り戻しやすくなります。
- 成功例では、過去の一生懸命取り組んだ仕事や、最近楽しく取り組んでいる仕事について何度も会話を重ねることで、メンバーの「やりがいの種」を一緒に見つけることができました。
Point2
「やりがいの種」は、すぐには見つからない。「気長に」見つけていく
- 日々仕事を粛々とこなしているなかで、「私は何を楽しいと感じる人なんだっけ?」「私は元々何がやりたかった人なんだっけ?」と自分のことがわからなくなることは珍しくありません。しばらくそのような状態が続くと「自分は淡々とした人間だ」という思い込みが強くなる場合もあります。もしくは、あえて一線を引くことでバランスを保とうとしているケースもあります。この場合、「どんなときにやりがいを感じるか」を聞いてもすぐには出てきません。
- 成功例では、メンバーの淡々としたリアクションにめげずに、半年かけて、過去や現在の仕事で「メンバーが少しでもやりがいを感じられること」にアンテナを立て、仕事の任せ方に少し工夫を加えてみることで、本人なりの「こだわり」が見え始めました。
仕事は問題なくやっているのに「淡々」なメンバーへの対応についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?何か試してみようと思えることがあれば嬉しいです。
上記以外にも、この場合はそうすればいいの?という場合は、「相談機能」の活用がおすすめです!一緒に試行錯誤していきましょう!