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「印西津 太郎のマネジメント奮闘記」では、架空のマネジャー「印西津(いんさいず)太郎」の経験談を通して、「INSIDESを活用したマネジメントのナレッジ」を共有します。 |
仕事がいっぱいいっぱいで「窮々」になっているメンバーに、
仕事の優先順位を付けるように伝えたのに、優先順位の低い仕事にばかり時間を使っている…ということはありませんか?
「この仕事は優先順位を下げて、と言ったのに、なぜ…?」
「色々やってくれてありがたいけど、優先度が高い仕事に集中してよ!」
と感じますよね。
私も、業務が回っていないのに、なぜ優先度が低い仕事に取り組んでしまうのか…?理解が出来ず、苦しみました。
ですが、「捨てられない理由は、論理だけでは説明できない」ということを知り、アプローチを変えたところ、メンバーの行動が少しずつ変わっていったのです。
その時の失敗例・成功例と対応のポイントをご覧ください。
仕事の優先順位がズレている「窮々」メンバーの結果と状態
今回の失敗例・成功例で登場するメンバー
石川 莉子さん INSIDES部カスタマーサポート課
- 新卒入社3年目。
- 最近同じチームに後輩が入り、慕われている。非常によく面倒を見ており、後輩の育成にやりがいを感じている様子。
- 一方、月次で顧客からの問い合わせデータの分析と、分析結果からの業務改善がミッションとなっているが、進んでいない。
- ここ最近、残業が増えている。
石川さんの状態
石川さんのINSIDES結果は「窮々」。
「仕事の量」にチェックがあるけれど、他の人と比べて業務量が多いわけじゃないんだよな。 必要以上に後輩の面倒を見ているせいとしか思えないな…。
優先順位つけて、と何度も伝えているし、「わかりました」と言うのに、全く変わらないんだよな…私はこれ以上どうすればいいのか、と途方に暮れてしまいました。
失敗例・成功例&解説
失敗例
印西津(マネジャー):「石川さん、最近残業が増えているね。大丈夫?」
石川(メンバー):「はい、ちょっと忙しくて…すみません。」
印西津(マネジャー):「いやいや、石川さんの体調が心配で。スケジュールを見ると、後輩からの相談やアポイントの同行がかなり増えているようだけど…」
石川(メンバー):「そうなんです。後輩の〇〇さんが、最近難しい案件を抱えていて、その支援があって。」
印西津(マネジャー):「そうか、対応してくれてありがとう。〇〇さんの相談に乗ってくれるのはすごくありがたいんだけど、石川さんにお願いしてる分析レポートの進捗が遅れているのが気になってて…。〇〇さんの相談には私も乗るようにするし、締切にも遅れそうだから、今は分析レポートを優先しようか。」
石川(メンバー):「はい、わかりました。すみません。」
後輩の育成には感謝したし、フォローするとも伝えたし、これでなんとか自分の仕事に集中してくれるといいけれど…と期待しましたが、次のINSIDESも「窮々」。
最近のスケジュールを見ても、まだ後輩の相談に時間をとられているようです。
もう何回同じことを言ったかわからないし、自分の仕事が遅れていることやクオリティが低いことをどう思っているんだろうか…なんだかモヤモヤしてしまいました。
成功例
印西津(マネジャー):「石川さん、最近も残業がかなり多いね。大丈夫?」
石川(メンバー):「はい、ちょっと忙しくて…すみません。」
印西津(マネジャー):「謝ることじゃないよ。後輩の〇〇さんは、本当に石川さんのことを慕ってるよね。最近はどんな相談に乗っているの?」
石川(メンバー):「最近は、まずA社の案件で…これは比較的スタンダードな案件です。もう1つのB社の案件が、結構難易度が高いレアケースで…(フォローの内容を話す)」
印西津(マネジャー):(フォローの内容を詳しく聞き…)「そうなんだねー〇〇さんが一人前になったのは、間違いなく石川さんのおかげだね。これまで〇〇さんのフォローはちょっと控えて…と伝えてしまってたけど、〇〇さんからしたら、石川さんがいなくなったら困るし、石川さんだからこそできているんだね。」
石川(メンバー):「ありがとうございます。本当に〇〇さんの成長を感じていて、嬉しいです。ただ、やっぱり時間をかけすぎているな…という気持ちはあって…少し迷いもあります。」
印西津(マネジャー):「そうなんだ。迷いがありつつも、丁寧にフォローしてくれているのは、〇〇さんが困ると思うから?それとも、やっぱり育成にすごくやりがいを感じているからなのかな」
石川(メンバー):「うーん…。どちらもある…と思います。〇〇さんが他の先輩に質問したときに、雑に対応されて困っていたことがあって…。頼られて応えることが好きなので、ついやってしまうところもあります。でも、分析のような仕事もできるようにならないと、とは思っているんです。ただやっぱり時間がうまく確保できなくて…。」
印西津(マネジャー):「そうなんだね。目の前の困ってる人は助けたいし、他の先輩の対応がいまいちだとなおさら心配だよね。任されている仕事も大切だからやらないといけないし、と思うのもわかるよ。ただ上司としては、石川さんが大変そうすぎるのはなんとかしたいかなぁ。例えば、〇〇さんに相談されているもののうち、部分的でも、石川さんじゃなくても対応できるかも…というものはある?たとえば、さっき言ってたスタンダードなA社の案件とか。それでも他の人だと雑になっちゃいそうかな。」
石川(メンバー):「うーん…確かにA社の案件なら…」
印西津(マネジャー):「若干心配そうだね笑。どんな心配がある?」
(そのあとも、細かい不安を確認したり、分析レポートの進め方も改めて確認し、一旦の優先度決めが終了)
いきなり優先順位の話をしたときには、「わかりました」としか言われなかったのですが、不安なことを話してくれるようになりました(正直、「そんなこと気にしなくてもいいのに」と思うこともありましたが…)。
その後も、優先順位が付けられなくなった場合は同じように対話を繰り返すことで、少しずつ他の業務が前に進んでいきました。
成功の要因を解説!
メンバーにとっての「大切ななにか」を「大切だ」と言ってあげることで、心の壁が取り払われ、思考が前に進むことがあります。
Point1
優先順位が低い仕事を頑張っていることを、褒める
- 「優先順位をつけろ」と言われていることは、メンバーも認識していると思います。しかし、優先順位をつける=自分が大切にしている仕事を捨てるということに、とても抵抗感を感じるメンバーもいるのです。
- 成功例では、本来優先順位を下げるべき(でもメンバーが一生懸命取り組んでいる)仕事について、あえて認めてあげることで、「実は、それがダメなことも分かっている」「本来の仕事もやりたいとは思っている」という気持ちを引き出し、心の壁を取り除くことが出来ました。
Point2
「大切ななにか」を捉え、共感し、なるべく守る方法を一緒に考える
- 「大切ななにか」=優先順位を付けることで生じるデメリットが払拭されないと、前に進むことは難しいです。このデメリットは、必ずしも論理的ではないですし、上司からすると些末なことかもしれませんが、「そんな些末なことは気にしないで」「こっちの仕事の方が、どう考えても大切だよね?」と言われたとしても、おそらく優先順位を付けることは難しいでしょう。
- 成功例では、目の前の人が困らないようにしたい、という想いを聴き、共感した上で、「他の人に対応させたせいで、後輩が困ることがないような」方法を模索する姿勢を見せることで、メンバーと一緒に対応方法を検討することができました。
仕事の優先順位がズレている「窮々」メンバーの対応についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?何か試してみようと思えることがあれば嬉しいです。
上記以外にも、この場合はどうすればいいの?という場合は、「相談機能」の活用がおすすめです!
一緒に試行錯誤していきましょう!