|
「印西津 太郎のマネジメント奮闘記」では、架空のマネジャー「印西津(いんさいず)太郎」の経験談を通して、「INSIDESを活用したマネジメントのナレッジ」を共有します。 |
成果を追って組織のパフォーマンスは上がったものの、メンバーが「窮々」となってしまったとき、
「メンバーの状態も大事だが、成果も無視できない。どうすればいいの?」
「最低限の指導をしただけで、窮々になるなんて、この仕事に向いてないということでは?」
と感じたことはありませんか?
指導して成果が上がってホッとしていたのに、メンバーが弱っているという結果が出たら、動揺しますよね。
私も「一時的に成果は上がっても、メンバーが潰れてしまうのではないか」「成果も上げたいが、メンバーにも元気でいてほしい…」と葛藤を感じました。
ですが、その葛藤する気持ちを素直に伝えたり、「成果を出すための方法」ではなく、メンバーの「悔しい気持ち」を会話の起点にすることを意識してみたら、指導しても、メンバーが前を向いてくれるようになったのです。
この場合の対応のポイントと、私の失敗例・成功例をもとにした解説をご覧ください。
指導が必要だが、指導すると「窮々」になるメンバーの結果と状態
今回の失敗例・成功例で登場するメンバー
辻さん INSIDES部カスタマーサポート課
- 新卒入社3年目
- 元気の良さ・行動力が強みだが、計画を立ててきっちり進めることや、こまめな報連相は苦手。
- 前期までは目標達成していたが、今期ミッションの難易度が上がり、達成が厳しい状況に。細かく行動管理を始め、やり方を変えて指導し、ようやく成果が出てきたところ。
辻さんの状態
辻さんのINSIDES結果は「窮々」。
目標達成のためには、先期よりも細かく行動管理せざるを得ない状況だったので、この結果になることは半分わかっていました。
パフォーマンスは上がっていたし、辻さん自身も行動管理の必要性もわかってくれていて、業務量が多いわけでもない。それなのに、少し指導しただけで元気がなくなるなんて…。最低限指導すらしないほうがいい、ということなのか…?
メンバーにはもちろん元気でいてほしい一方で、目標達成も疎かにはできません。 どうしたらよいのだろうか…私は板挟みになったような気持ちになりました。
失敗例・成功例&解説
失敗例
印西津(マネジャー):「期末時点の目標の数字まで、あと〇件だね。どうしたら達成できそうかな?」
辻(メンバー):「そうですね…~~のときに、~~しきれなかったなと感じる場面があったので、その機会を逃さずに~~しようと思います。」
印西津(マネジャー):「いいね。だけど、それだけで達成できるかな?もっと~~したり、~~したり、やり方を変える必要があると思うよ。」
辻(メンバー):「はい。確かに…詰めが甘かったです。わかりました。そのやり方もやってみます。」
これでKPI達成の見通しは立ったな。辻さんはそんなに楽しそうな様子ではないけれど、目標達成のために必要な会話なので、間違ったことをしているわけではないはずです。仕事はもちろん楽しいときばかりではないし、ここはしっかりやってもらわないと。
そう思い、私にとっては当たり前のやり取りをしただけのつもりでしたが、次のINSIDES結果のスコアは益々悪化。辻さんも感情を無にしてこなしている様子で、長続きするか不安です。
少しアプローチを変えたほうが良いかな…
成功例
印西津(マネジャー):「最近は安定感も出てきたように思うんだけど、辻さんが最近ちょっと元気ないのが気になってて。この1か月、やり方を変えてみたけど、正直どうだった?」
辻(メンバー):「実際にやってみて、~~な点はよかったと思います。指導いただいてありがとうございます。ただ、~~はちょっと難しかった…ですかね…」
印西津(マネジャー):「(心の声:多分、「難しかった」という方が本音だろうな…)そうだよねー。言ってくれてありがとう。しんどかったよね。 このまま仕事がうまくいっても、持ち前のエネルギッシュさで課を盛り上げてくれていたような、辻さんの良い部分がでないと勿体ないし、頑張り続けられないと思うんだ。目標達成だけしても、意味がないというか…。でも、目標達成できないというのは、辻さんとしても悔しいよね?」
辻(メンバー):「はい。それはなんとかしたいって、本当に思ってます。良い部分が出ないと勿体ないと言ってもらえたのも、嬉しいです。」
印西津(マネジャー):「そうだよね。自分としても、やりきれなかったな、どうにかしたいなと感じてることってある?」
辻(メンバー):「(悔しかった場面について話す)」
印西津(マネジャー):なるほどね。それは悔しいよね。確かに辻さんって、~~の件について深く考えていたから、辻さんのせいだけではないと思うけど、ちょっとしたミスが理由で、それが叶わなくなったら、悔しく感じるよね。前期は、◇◇の件も考え抜いて、がんばってたしね。 だとしたら、次はもう同じミスが起きないように、こういうやり方はどう?」
辻(メンバー):「それなら、できるかもです…なんか、自分の悔しい気持ちや、がんばっていた部分も見ていただけたことも、嬉しいです。」
印西津(マネジャー):「よかった。ちょっとやってみて、上手くいきそうか、また一緒に見直していこっか。」
辻(メンバー):「はい!がんばれそうな気がしてきました。一緒に考えてくださり、ありがとうございます!」
成功の要因を解説!
元気でいることと、成果が上がっていることの両立が大事、という互いの想いや考えを確かめ合い、同じ方向を向くことが重要です。
Point1
メンバーの「悔しい気持ち」を起点に会話し、アドバイスを受け止めやすくする
- 上司としては、「メンバーが今のやり方だとやりにくそうだし、テンションも下がっているから、良い方法を見つけてあげたい」などと良かれと思って、成果を出すためのやり方にフォーカスしがちです。それは当たり前の対応で、間違いではありません。ですが、メンバーも「できていないことはわかっているし、ショックを受けている」中で「成果を出すための方法論」だけを会話されると、さらに傷口に塩を塗られているような気持ちになることがあります。
- 成功例では、「成果を出すためのより良いやり方」ではなく、メンバーの「悔しい気持ち」を会話の起点にしたことで、メンバーに「取り組みたい」という想いが生まれ、アドバイスを受け止めることができました。
Point2
「元気に成果が出ている状態が一番」という、互いの想いを確かめ合う
- 「成果を出すためのやり方」のみに会話が終始すると、「上司は”私のため”ではなく”自分(上司)のため”に言っているんだ」「成果さえ出れば、私が元気かどうかはどうでもよいだろうか」「私は成果を上げるための道具…?」などと、疑心暗鬼に捉えてしまう場合があります。
- 成功例では、上司としてもメンバーには「前提として、メンバーが元気なことが大事だと思っている。そのうえで成果も両立できるのがベスト」と伝えたことで、メンバーが「”私のため”を思ってくれている」と感じることができました。上下の関係ではなく、隣に座って同じ方向を向き、より良いやり方を一緒に考えることができたのです。
指導が必要だが、指導すると「窮々」になるメンバーのパターンについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?何か試してみようと思えることがあれば嬉しいです。
上記以外にも、この場合はどうすればいいの?という場合は、「相談機能」の活用がおすすめです!
一緒に試行錯誤していきましょう!