|
「印西津 太郎のマネジメント奮闘記」では、架空のマネジャー「印西津(いんさいず)太郎」の経験談を通して、「INSIDESを活用したマネジメントのナレッジ」を共有します。 |
「淡々」のメンバーに対し、「モチベーション高く働いてほしい」「やる気を引き出したい」と思っているが、
「いくらやりたいことを聞いても出てこない」
「いまいちメンバーのことが掴めず、やる気を引き出す方法がわからない」
と感じたことはありませんか?
あの手この手で「やりたいこと」を探ろうとしても「特にないです」「今のままでいいです」といった反応しかないと、このアプローチで合っているのだろうか…と迷いが出てきますよね。
私も、本人にその気がないのに、「やりたいことがなければダメだ」と無理強いしているのではないか?」と感じることがありました。
ですが、「やりたいこと」という言葉を使わない方が良いメンバーもいて、メンバーの温度感に合わせたほうが良い、とわかってから、無理なくメンバーと話せるようになったのです。
この場合の対応のポイントと、私の失敗例・成功例をもとにした解説をご覧ください。
やりたいことを聞いても出てこない「淡々」メンバーの結果と状態
今回の失敗例・成功例で登場するメンバー
中澤裕一さん INSIDES部カスタマーサポート課
- 中途入社3年目、アラサー
- 多様なミッションを任され、どれも卒なくこなしているが、「どんなことでモチベーションが上がる人なのか」が見えてこず、いまいち掴み切れないところがある
中澤さんの状態
中澤さんのINSIDES結果は、また「淡々」。特に様子も変わっていないので、驚きはしません。
でも、やりたいことを聞いても出てこないし…モチベーション上げたいとは思うけど、どうしたらいいのだろうか… 何かとっかかりになりそうなことはないだろうか?
そう思い、パーソナルレポートに目を向けると、自己認知/環境認知のスコアはほぼ全て3点付近、メンタリティに影響している要素のチェックもありません。
また今回も、「それなりに楽しくやれてるし大丈夫です」とあっさり面談が終わってしまいそうだな…
失敗例・成功例&解説
失敗例
~ 期初の面談にて ~
印西津(マネジャー):「私は上司として、中澤さんのキャリアを応援したいと思っていて。今後こんなことやってみたいな、と思うことはある?今ある制約や条件は気にしなくていいよ。」
中澤(メンバー):「いや、そんなことあまりちゃんと考えたことなくて…」
印西津(マネジャー):「そうか。せっかくやるんならさ、やりたいこと、あったほうが良くない?1日のうち3分の1が仕事の時間なんだよ。やりたいことがあった方が絶対人生楽しいと思うよ。私も中澤さんと同じくらいの年次の時はさ…(略)」
中澤(メンバー):「その方が良いですよね…ちょっと、考えてみます…」
改めて中澤さんのキャリアを応援したい熱意をぶつけたり、自分の経験をもとに投げかけたら触発される部分もあるかなと思いましたが、今日も反応がイマイチでした。
これまでも諦めずに投げかけ続けていますが、あまり手応えを感じません。さすがに、今のアプローチで正しいのか、自信がなくなってきました。温度差がどんどん開いているような…
じれったいけど、中澤さんのペースに少し合わせることを意識してみようかな…
成功例
~ 期初の面談にて ~
印西津(マネジャー):「私は上司として、中澤さんのキャリアを応援したいと思っていて。今後こんなことやってみたいな、と思うことはある?今ある制約や条件は気にしなくていいよ。」
中澤(メンバー):「いや、そんなことあまりちゃんと考えたことなくて…」
印西津(マネジャー):「そっか。いきなりそんなこと言われてもって感じだよね。じゃあ、中長期的な話は置いておいて、とりあえず先期の振り返りしようか。例えば、先期一番印象に残ったことって、どんなことがある?」
中澤(メンバー):「うーん…そうですね…一番か…なんだろうな…。○○さんの育成ですかね。」
印西津(マネジャー):「(心の声:メインじゃない業務が出てきて意外だな…)へぇ、○○さんの育成か。私も見ていたけど、○○さんの表情も以前より明るくなってきたよね。何か意識していたことはあるの?」
中澤(メンバー):「そうですね。はじめは、先輩らしくアドバイスしなきゃと思って、私が積極的に話すことが多かったんですが、それだとなんだかつまらなそうで。少しアプローチを変えて、アドバイスするのではなく、”○○さんはどう今どんなこと考えているの?”って、まず投げかけるようにしてみたんです。」
印西津(マネジャー):「それはいいね。そうしてみたら、反応は変わった?」
中澤(メンバー):「はい。それまでは”はい、わかりました”という生返事が多くて、受け身な印象だったんですが、主体性が出てきたように思います。」
印西津(マネジャー):「聞いてると、それってコーチングの要素あるかもね。」
中澤(メンバー):「え?コーチングですか?」
印西津(マネジャー):「うん。主体性を引き出すような関わりをしているところが。コーチングって例えば…(略)」
中澤(メンバー):「そうなんですね…自分では思いつかなかったです。」
印西津(マネジャー):「△△部の××さんも、コーチングを学んでいて、資格も持っているって言ってたな。」
中澤(メンバー):「え、そうなんですか。ちょっと興味あります。話、聞いてみようかな…」
成功の要因を解説!
「やりたいこと」が定まっていないときは、「できるようになったこと」を起点に、やりたいことを「育む」かかわりが有効です。
Point1
「やりたいこと」が出てこないときに、熱意をぶつけない
- 「今はそういうモードではない」ときに「やりたいこと見つけようよ!」と熱意をぶつけられると、このマネジャーは「やりたいことがあるべき」という価値観なんだ、自分の気持ちはわかってもらえなさそうだ…とメンバーとの間に距離ができてしまうことがあります。
- 成功例では、いきなり「やりたいこと」を聞いたり熱意をぶつけたりするのではなく、メンバーの現在地に近しい「最近取り組んだこと」をベースにしたことで、温度差が出ることもなく対話を紡いでいくことができました。
Point2
「やりたいこと」は、「等身大でできるようになったこと」から育む
- 「小さなやりたいこと」はあったとしても、「今後どうなりたい?」「どんなことがやりたい?」と漠然と聞かれると仰々しく感じ「そこまで壮大なこと考えてるわけではない…」という風に口籠ってしまう場合があります。
- 成功例では、メンバーの「できるようになったこと」を起点に、「延長線上ではこんなこともできそうだよ」と、半歩先の視点を投げかけることで、メンバーのテンションや目線に合わせながら、自然に「やりたいこと」を「育む」かかわりができました。
やりたいことを聞いても出てこない「淡々」メンバーのパターンについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?何か試してみようと思えることがあれば嬉しいです。
上記以外にも、この場合はどうすればいいの?という場合は、「相談機能」の活用がおすすめです! 一緒に試行錯誤していきましょう!