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「印西津 太郎のマネジメント奮闘記」では、架空のマネジャー「印西津(いんさいず)太郎」の経験談を通して、「INSIDESを活用したマネジメントのナレッジ」を共有します。 |
自己肯定感が低く「窮々」「悶々」が続くメンバーに対して、
「ネガティブな性格だから、前向きになるイメージが湧かない」
「ポジティブに捉えてほしい、楽しんでほしいと思い声をかけているが、一切響かない」
「改善しようと向き合っているが、正直悲しくなってくる…」
と感じたことはありませんか?
私も、何を言ってもネガティブな発言しか返ってこないメンバーに対しては、正直「状態を改善しようとすることが、メンバーにとっては苦痛なのでは?」とさえ思ってしまうことがありました。
ですが、根本の性格に向き合いすぎる必要はない。「目の前の仕事」に向き合う方が、建設的な対話ができることがある、と実感するエピソードがありました。
その時の失敗例・成功例と対応のポイントをご覧ください。
ネガティブな性格で「窮々」なメンバーの結果と状態
今回の失敗例・成功例で登場するメンバー
吉澤さん INSIDES部カスタマーサポート課
- 新卒入社7年目
- INSIDESの結果はずっと窮々・悶々をいったりきたり。
- 仕事では、コツコツと正確に対応することが得意で評価も高いが、褒めても「全然できていないです。変わらなければならないのはわかっているけれど、できなくて申し訳ないです」など、否定的な言葉ばかりが出てくる。
吉澤さんの状態
吉澤さんのINSIDES結果は予想通り「窮々」。
「自信がない」という吉澤さんの性格がそのまま表れているような結果で、正直意外性はありません。前回の面談で、前向きになってほしくて「できているところ」をたくさん伝えたけれど、なんの意味もなかったのか…と、諦めの気持ちが湧いてきました。
しかし「フィードバックと承認がある」の得点は、意外に高いのかも…?(前回の結果よりも、得点が上がっていました)褒めていることは伝わっているけれど、自信が持てない何かがある、ということなのか…?褒めて前向きになってもらうことよりも、効果的なアプローチがあるのだろうか…?
失敗例・成功例&解説
失敗例
印西津(マネジャー):「最近、仕事で困っていることや、うまくいかないことはある?」
吉澤(メンバー):「そうですね…。全体的にあまりうまくいっていない感じがしていて…。パフォーマンスを発揮できていなくて申し訳ないです。本当はもっとみんなを引っ張っていくべき立場だって分かっているんですけど、全然できていなくて。」
印西津(マネジャー):「え、そんなことないでしょ!十分よくやってくれていると思ってるよ。この間の◯◯の件だって、うまく対応してくれたじゃない。」
吉澤(メンバー):「まぁあれは、なんとかなりましたけど、そんな重要な案件でもないですし。チームメンバーを動機づけたりもできていないし、みんながあまりいい雰囲気じゃない気がします…。もっと◯◯さんみたいにできたらいいとは思うんですが、どうしても苦手で、やらなきゃとは思ってるんですけど…。できていないことがありすぎて、どうしたらいいのかわからないです。すみません、貢献できていなくて。」
印西津(マネジャー):「貢献できていないなんて、とんでもない。メンバーにもこまめに声をかけてくれているでしょう?みんな助かっていると思うけどなぁ。なんでそんなにマイナスに捉えちゃうの?」
吉澤(メンバー):「すみません…。でもそうとしか思えなくて…。」
貢献できていないなんて、どうして思ってしまうんだろう…?ネガティブに落ち込むことに意味はないし、プラスの事実があるんだから、素直に受け止めればいいのに。
何を言っても否定されるから、正直会話に付き合うのが疲れるな…。これ以上なにかできることはあるんだろうか…。
その後も、具体的に褒めたり、自分以外のメンバーからのプラスな声を届けたりしたものの、次のINSIDESの結果も「窮々」のままでした。
成功例
印西津(マネジャー):「最近、仕事で困っていることや、うまくいかないことはある?」
吉澤(メンバー):「そうですね…。全体的にあまりうまくいっていない感じがしていて…。パフォーマンスを発揮できていなくて申し訳ないです。本当はもっとみんなを引っ張っていくべき立場だって分かっているんですけど、全然できていなくて。」
印西津(マネジャー):「そうなんだ。例えば◯◯の件では、具体的にどんなことがうまくいってない・難しいと感じているの?」
吉澤(メンバー):「チームメンバーに共有したのですが、あまり反応がよくなくて…」
印西津(マネジャー):「へぇ、◯◯さんも?」
吉澤(メンバー):「あ、いや、◯◯さんは、反応が薄くてよくわからなかったです」
印西津(マネジャー):「そっか。このあいだ◯◯さんと面談したけど、楽しみだって言ってたし、吉澤さんの説明が丁寧でわかりやすかったと言ってたよ!反応がよくなかったのは誰なの?」
吉澤(メンバー):「本当ですか、よかった…。批判的な反応だったのは…▼▼さん…だけですね。」
印西津(マネジャー):「そかそか。▼▼さんは、今✕✕社の案件でものすごく忙しいから、ちょっといっぱいいっぱいになっちゃったのかもね。私の方からもどう感じたか聞いてみるよ。」
吉澤(メンバー):「そういう状況だったんですね。」
印西津(マネジャー):「うん。事情があったとはいえ、批判的な反応で嫌な思いはしたと思うし、できれば前向きにみんなに取り組んでほしいよね。」
吉澤(メンバー):「そうですね…少し悲しい気持ちというか、みんなの業務が良くなるようにやっているのにな…と思ったり、でも自分の説明が悪かったのかな…と気にしていました。前向きにやってもらえるのが一番なので…。」
印西津(マネジャー):「こういう取り組みは、いきなり全員が100%前向きにできることってありえないし、まず◯◯さんがすごく前向きになったのは順調なスタートだよ。もともと目標は、◯月までに・・・な状態にすることだと設定していたじゃない?それが適切だと思うし、だから今は期待通りのスタートを切れているよ。今がスタート地点だとしたときに、目標のタイミングまでに何にどう取り組むか考えていこう」
吉澤(メンバー):「わかりました。」
印西津(マネジャー):「他にも、うまくいってないと思うことはある?▢▢の件はどう?」
この面談では特に前向きな発言もなく、正直うまくいったのかよくわかりませんでした。ですが、繰り返していくうちに、少しずつ後ろ向きすぎる発言が減ったように感じました。
次のINSIDESの結果はまた「窮々」で、言いたいことが言えなくなってしまったのかな…と心配しましたが、「当事者意識を持てる」「誇りを持てる」「持ち味に期待してくれる」の得点が少しだけ改善。「思ったままを話せる」の得点も下がっていませんでした。プラスではないものの、マイナスすぎる捉え方が減ってきたように感じます。
成功の要因を解説!
根本的な性格を改善しよう、と考えず、目の前の出来事を1つ1つ整理することで、ネガティブな考えに囚われすぎなくなります。
Point1
本人のネガティブな捉え方を否定せず、"目の前の仕事の話"にフォーカス
- 自己肯定感の低さやネガティブな物事の捉え方は、長年培われたものですし、おそらくご本人も「ポジティブに捉えたほうがいいことはわかっている」状態です。ネガティブな発言に対して、いきなり「そんなことないよ」と褒めても、「どうしてそういう捉え方になるの?」などと根本的に改善しようとしても、「やっぱり私ってダメなんだ」と逆に全体的に否定的な思考に陥ってしまいやすいです。
- 成功例では、根本的な捉え方の良し悪しには言及せず、「目の前の仕事では、何が起きているのか?」に話を集中させることで、いつもの「自分の性格を全否定する」思考に陥ることを防ぐことができました。
Point2
「事実」と「感覚」を切り分ける。ただし「感覚」は否定しない。
- 1つうまくいかないと、全部がうまくいっていないように感じてしまうことがよくあります。そんなときには「事実ベースで会話をする」のが重要ですが、「こういう事実なのだから、あなたの捉え方は間違っている」という伝わり方にならないように注意が必要です。
- 成功例では、「批判的なメンバーは1人だけであり、目標と照らすと現状は問題がない」という事実を整理しながらも、「嫌な思いをすることは間違っていない」と「感覚」も認めてあげることで、「うまくいっていない」のではなく「うまくいっているが、批判的な発言で嫌な気持ちになっている」と捉えることに繋がっています。
ネガティブな性格で「窮々」メンバーの対応についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?何か試してみようと思えることがあれば嬉しいです。
上記以外にも、この場合はどうすればいいの?という場合は、「相談機能」の活用がおすすめです!
一緒に試行錯誤していきましょう!